2022年順次公開中
動物愛護法の盲点をついた北田直俊監督の問題作
TRAILER
予告編60秒バージョン
予告編150秒バージョン
INTRODUCTION
実際の事件をモデルに、監督の怒りが反映された動物愛護に焦点を当てた問題作
『イヌ』、『ZONE/存在しなかった命』、『動物愛護法』で知られる北田直俊監督の最新作、『彷徨う魂』。動物の命を軽視する社会や法律を数々の作品で問題にしてきた北田監督。今作ではある動物虐待事件を題材にし、理不尽な現実がありありと浮かび上がってくる。動物愛護法の盲点、遅れた動物福祉、そして日本人の愛玩動物問題への意識にメスを入れた作品となっている。主演は劇団メンソウルの座長であるベテラン俳優の杉本凌士。その妻役は杉本と共演経験のある名優、山野はるみ。その他共演に礒部泰宏、剛州、高山陽平、生井みづきらが名を連ね、本作を彩っている。
STORY
夫婦が愛した飼い猫が殺された。犯人の男は逮捕されるが、執行猶予処分で自由の身に。仲睦まじい夫婦の日常は次第に崩壊していく・・・。
写真家兼トラック運転手の坂崎陽平と大学講師である公務員の妻、由美は雨が降りしきる夏の日に捨て猫を拾った。「喜雨」と名付けられたその猫は、愛情たっぷりに育てられた。陽平の夢であった猫の写真個展も成功に終わり、幸せを噛み締めていたところ、喜雨は坂崎家のわずかな隙間から出て行ってしまう。喜雨の捜索が続けられて数日経ったある日、陽平と由美は隣町で野良猫の虐待事件があったと知る。後日、虐待犯は逮捕された。喜雨の安否を確かめたい陽平は犯行現場の廃屋を特定し、現場で喜雨の首輪を見つけ、悲しみと怒りに身体を震わせる。一方、逮捕された男は「動物愛護法違反」の軽犯罪扱いで、執行猶予処分になり自由の身に。さまざまな感情が渦巻く陽平は、運送の仕事で事故を起こしてしまい、由美も心労が祟って精神のバランスを崩す。そんな時、陽平は隣町で何食わぬ顔で暮らす犯人を目撃するのだが・・・。
CAST
杉本凌士 / 坂崎陽平
1971年生まれ。熊本県出身。全員九州男児という異色の劇団メンソウルを旗揚げし、全26作品に代表として出演。俳優として舞台・映像問わず精力的に活動する一方、舞台では脚本・演出も手掛け、新国立劇場ではオペラパレス、中劇場、小劇場の全てで脚本・演出として関わる経歴を持つ。俳優代表作として『ガチ星』(2018/江口カン監督)、『こいからっさ』(2016/鄭光誠監)、『NORINTEN』(2015/稲塚秀孝監督)、『カマトト』(2014/武本凌侍監督)、舞台『フラガール』(2008/羽原大介脚本/山田和也演出)、舞台『ワルシャワの鼻』(2009・2010/生瀬勝久脚本・水田伸夫演出)、『ヘンリー8世』(2020/吉田鋼太郎演出)、連続テレビ小説『エール』(2020/NHK)、大河ドラマ『麒麟がくる』(2020/NHK)、『ボイスⅡ』(2021/日本テレビ)、『ただ離婚してないだけ』(2021/テレビ東京)等がある。
山野はるみ / 坂崎由美
1975年生まれ。熊本県出身。2001年に俳優としてのキャリアをスタート。舞台を中心に活動し、客演としても数多くの作品に出演している。シリアスからコメディまで幅広い演技に定評があり、カメレオン俳優と称される。また、故郷・熊本弁での演技は特に高く評価される。主な出演映画に、『空飛ぶ金魚と世界のひみつ』(2013/林弘樹監督)、『惑う』(2016/林弘樹監督)、『お元気ですか?』(2016/室賀厚)、「デリバリー」(2019/室賀厚監督)、『もっこす家族』(2020/泉知束監督/文化庁アートにエールを!企画)等がある。
礒部泰宏 / 大野誠
1980年生まれ。山口県出身。2001年に俳優活動を開始。舞台等で経験を積み、06年エンブゼミに入校。卒業後は映像作品を中心に活動。主な出演作は映画『あれから』(2013/篠崎誠監督)、『ローリング』(2015/冨永昌敬監督)等がある。近年は映像制作も手がけ、監督・脚本・編集・主演を務めた『いる』が福井映画祭14TH短編部門「観客賞」、第14回田辺・弁慶映画祭「俳優賞」を受賞。新作『みない』と共に、テアトル新宿でレイトショー公開された。
剛州 / 野口和也
1956年生まれ。山口県出身。1979年、大学卒業と同時に坂上二郎の内弟子となり、3年1ヶ月務めた後独立。現在は、ドラマ・バラエティ・舞台と活動を拡げている。出演作に、『病葉流れて』(2007/亀井亨監督)、『哀憑歌』(2008/金丸雄一監督)、『無頼』(2020/井筒和幸監督)、『未来へのかたち』(2021/大森研一監督)等がある。また、毎年8月に行われる関根勤主宰の舞台『カンコンキンシアター』に出演しており、独特のダジャレ芸と存在感、不甲斐なさは抜群の人気がある。
高山陽平 / 和泉孝弘
1989年生まれ。熊本県出身。2013年、俳優のキャリアをスタート。主な出演作品に、舞台『鼓動』、『バカデカ-勿忘草』、『バカデカ-桔梗』、『髭王』主演(劇団メンソウル)、映像作品に連続テレビ小説『エール』(2020/NHK)、『BG~身辺警護人~』(2020/テレビ朝日)、『刑事7人(シーズン6)』(2020/テレビ朝日)、『年下彼氏』(2020/朝日放送)、『99.9II〜刑事専門弁護士』(2018/TBS)等がある。
生井みづき / 大野小百合
1985年生まれ。東京都出身。狂気を秘めたエキセントリックな役からコミカルな役までこなす幅広い表現力を持つ。フードアナリストやwebライターとしての顔もあり、ジャンルを問わず多岐にわたって活動している。主演作品に舞台『小鳥の水浴』(大鶴義丹演出)等がある。
STAFF
制作
渡邉康恵
1967年生まれ。生まれ育った新潟で、保護猫4匹と暮らす。
世界愛犬連盟日本代表。犬猫の食用を全世界で禁止にするための、犬猫食用禁止国際条約と国内法の制定に向けて尽力する動物愛護活動家。北田監督とは『アジア犬肉紀行』のロケの協力をきっかけに、犬猫を守る法整備のための調査やイベント等で共に活動している。本作でも、作品における北田監督の想いに共鳴して地元新潟での制作に携わる。
監督・編集
北田直俊
1968年生まれ。大阪府出身。
高校中退後、日雇い職で各地を転々とする。25歳から10年を費やして製作したブローアップ35ミリ白黒映画『イヌ』(2003)は劇場公開を果たす。2011年には原発事故により、強制避難区域に置き去りにされ餓死した動物を記録した『ZONE/存在しなかった命』(2013)と、居住制限区域に放置された動物を題材にした『みえない汚染・飯館村の動物たち』の制作を開始。この二作を作る過程で、日本の動物福祉に対する意識の低さを目の当たりにした。以降、『アジア犬肉紀行』(2018)では中国・韓国・日本で長期取材を敢行。中国公安警察にマークされながらも、犬肉文化と法の矛盾、動物愛護を世界に訴えかけた。そして、2017年から4年を費やして制作された長編ドキュメンタリー映画『動物愛護法』と、本作『彷徨う魂』を2022年に公開予定。
【監督作品】『イヌ』(2003)、『朝子』(2005)、『喪のfilm』(2008)、『ZONE/存在しなかった命』(2013)、『みえない汚染・飯館村の動物たち』(2015)、『アジア犬肉紀行』(2018)
脚本 / 大春ハルオ
神奈川県出身。劇団「ラチェットレンチ」の初代主宰で現・座付作家。その他、外部団体への脚本提供も。落語や日本史に造詣が深く、それらをモチーフにした作品が多い。池袋演劇祭では『落伍者。』(2014)で優秀賞を受賞。また、同演劇祭に併せて開催されるCM大会では2年連続で特別賞も受賞した。その後、シナリオS1グランプリでは『幕末サンライズ』(2020)で佳作を受賞。現在はゲームシナリオライターとしても活躍中。映画脚本としては、今作『彷徨う魂』がデビュー作となる。
撮影 / 白石みち
1968年生まれ。東京都出身。キャリアのきっかけは何気無く使い始めた携帯電話のカメラ。以降、撮影の世界に没頭しシャッターを切り続け、着実に実力を積む。2013年にはオランダのVan Gogh
Museumで、Best (snap)of Augustを受賞した。また、リコーイメージングフォトコンテスト2020では準グランプリに輝いた。写真をメインに活動している中、本作で映像作品のデビューを飾る。
音楽 / 坂本弘道
1962年生まれ。広島県出身。チェロから電動工具で火花を出す演奏に代表される奇想と、切なく甘美な楽想が共存する唯一無二の音楽家。バンド「パスカルズ」在籍。また、作曲家として多くの舞台や映像の音楽制作に携っている。舞台では『風博士』などシスカンパニー・日本文学シアター全作品、KERAMAP『修道女たち』、パルコプロデュース『目頭を押さえた』等。映像では、アニメーション『緑子/MIDORI-KO』(黒坂圭太監督)、TBSドラマ『凪のお暇』、北田直俊監督『みえない汚染飯館村の動物たち』『アジア犬肉紀行』等がある。
助監督 / 工藤修司
1965年生まれ。北海道出身。大学卒業後(株)日放に入社、カメラアシスタントを務める。のちに俳優を志し、(株)芸映タレントステーションに所属。プロデュース公演『反町銀座商店街』『常磐兄弟探偵事務所』などに出演。現在、2022年1月スタートの『GODドクター』(チバテレ)で津小見記者役として出演中。北田監督作品には、2022年公開予定のドキュメンタリー映画『動物愛護法』にレポーターとして出演歴がある。今回『彷徨う魂』の助監督として、北田監督作品に二度目の参加を果たす。
NEWS
姉妹作『動物愛護法』公式サイト
本作『彷徨う魂』は、長編ドキュメンタリー映画『動物愛護法』の姉妹編として制作されました。
衆議院第二議員会館にて1日3回上映決定。
一般の方も入場無料でご鑑賞いただけます。
日程: 5月23日(月)、5月24日(火)
上映の詳細はこちらのリンクからご覧いただけます。
『彷徨う魂』劇場情報
公開日
5月26日(木)、5月27日(金)、5月30日(月)