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出演者 |
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遠藤カズオ(55歳)
第一原発から南に約60キロのいわき市で有限会社·福島土木を経営する傍ら、原
発事故以降は、福島原発周辺の警戒区域において、被曝し圏外移動できなくなった
家畜たちの保護を続けています。
国の殺処分に対抗するためユンボや大型トラック、ユニックなどの重機を自らの
会社から無償で持ち込み、独自に牧場や柵を制作しました。 |
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吉沢正巳(58歳)
福島第一原発から北西に14キロ、浪江町において広大でのびやかな(有)エム牧場
を経営する農場長だった吉沢さん。原発事故により商品価値がまったく無くなった
300頭の牛と共に絶望的な農場に留まり続け、自身も激しく被曝しながら「希望の
牧場」を立ち上げました。
国·東電にとって目の上のたんこぶ的な存在だった被曝牛たちに〔生かす〕という
選択肢で政府に対して反旗を翻しました。 |
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星 広志(57歳)
福島県相馬市生まれ。東京在住。原発事故後の4月に家族と共に生まれ故郷に立ち
寄った帰り道で偶然、警戒区域に取り残された無数の動物達の存在を知ります。それ
以降、仕事休みの毎週末に息子(34)と共に独自のゲリラ活動で動物レスキューを開始
しました。
赤外線カメラによる遠隔操作捕獲機などを独自に開発しユニークで斬新なアイデアで
レスキュー·保護·譲渡活動を繰り広げ、またfacebook上で「福島原発被害の動物たち」
というコミュニティを主催し、動物愛護·福祉の観点を広く訴え続けています。 |
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Isabella Gallaon-Aoki
イタリア出身。元々、中国語を勉強するために中国に留学していたが、やがて日本に
興味を持ち来日、日本人男性と結婚後新潟に定住。
新潟の動物愛護組織に所属していたが、整ったシェルターが無いことに疑問を持ち
家族の協力の下、2008年にNPO法人アニマルフレンズ新潟という動物救援保護施設を独自に
設立しました。311震災以降は精力的に東北に出向き、数多くの動物たちを救出した実績が
あります。元々は150匹程の保護頭数が一挙に3倍にまで達しました。 |
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本多 明(49歳)
原発事故以降、愛知県から単身福島に乗り込み、圏内の置き去りにされた動物を救出
する傍ら、社団法人にゃんだーガードを立ち上げます。
高校時代からの付き合いだったという奥さんはそんな旦那さんを支持しつつ名古屋で
の生活を護るため、単身赴任状態を余儀なくされています。
終焉の兆しを見せない警戒区域の現実を嘆きながらも、被災した動物達のために
「僕はいつまでも福島に居る決断をしたのです」と、自らの運命を捧げた一人の男
がいました。 |
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細 康徳(51歳)
元々、京都の暴力団組長だった十数年前に猛犬といわれるアメリカンビットブルテリア
という犬種と出会った事で生き方を大きく左右させられたといいます。
その後、ブリーダーに転職(繁殖屋との違いに注意するが、日本のペット業界の劣悪な
現実に落胆し、一般社団法人UKC JAPAN·アニマルレスキューを設立し日本中の多頭飼育
崩壊や虐待現場から動物達の救助活動を開始します。
福島原発事故に至っては真っ先に圏内入りを果たし、放射能汚染という極限下での動物
救助における功績は余りにも大きい。
現在、何らかの事情で飼い主と別れることになった動物たちを保護し、里親との出会いを
待つ場としての巨大シェルター(ティアハイム=動物の家)建設に向けて動き出しています。 |
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ムカシ玩具·舞香
劇団·ムカシ玩具 主宰。東京都出身。
警戒区域に指定された福島第一原発から20キロ圏内に取り残された動物を題材に演劇
『ハル』で精力的にボランティア公演を続けています。
作·演出·出演、舞香。 主演の置き去りになった一匹の柴犬·ハルを福島県郡山市
在住の高校生、熊田リナさんが演じています。 |
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吉田美恵子(通称·猫おばさん)
福島県南相馬市小高区で細々と塾を営んできた吉田さん。
原発事故による立入り禁止区域になってしまった自宅に飼い猫9匹全員を置き去りにした
まま強制的に避難させられる。
その後、南相馬市役所前などでプラカードを掲げ、精力的に行政の支援や他の飼い主さ
んの賛同を呼びかけると共に、自力で自身の猫7匹までを救出することに成功する。
現在まで小高地区を中心にエサやりや捕獲活動に携わっています。 |
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池田牧場(池田光秀、美喜子夫妻)
放射能を撒き散らした福島第一原発から数キロの大熊町で唯一、行政による意味のない
殺処分に反対して牧場の牛たちに餌を与え続ける池田牧場の池田ご夫妻。
被爆し産業動物としての役割を終えた牛たちを生かす意味とは?
奥さんは僕の質問に『私にとって牛は家族のような存在!1番に牛、2番に夫、そして3番目に
子供たちだっぺ!』と言いました。やがて肉として出荷するものとしても、私は常に牛たちに
心底、愛情を込めて育て上げてきたのだと。ここにも福島のベコ屋の意地を見ました。 |
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個人ボランティア
その他、名も無い個人ボランティアさんによる20キロ圏内の給餌やペットだった動物たちの
捕獲に同行取材しました。平日は東京で普通に仕事をして、週末の休みを利用して全くの自己
資金により繰り広げられる動物保護活動。誰に褒められる訳でもなく、ただ淡々と自らの正義
に立ち向かうその背中をカメラは活写します。彼ら、彼女らの無償の活躍で数多くの命が救わ
れた事実を大手マスコミなどが報道することはありません。 |
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以上、『zone 存在しなかった命』(117min)出演者ご紹介でした。 |
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撮影·監督 北田直俊
1968年生まれ。26~34歳までの8年間を費やして全くの独学·たった一人で
35ミリ長編劇映画『イヌ』(100分)の製作に没頭する。
人間に殺され怪物となって復讐する犬というシュールな内容2003年劇場公開·全国レンタル(販売·シネマンブレイン)
同年、
同棲中の彼女が自殺し、そのことがきっかけで現実から逃れるように『朝子』(105分·2005)を製作。或る人妻が飛び降り自殺図るまでを描いた作品。完成と同時に一切の家財·友人を捨て東北を旅しながら『デモーニッシュな街から遠く離れて』(115分·2008)劇+風景映画というスタイルで大切な人を失った果てしない喪失を描いた作品を撮る。5年間、映画製作から遠ざかっていたが福島原発警戒区域に取り残された動物たちを主題に初めて記録映画『zone存在しなかった命』に着手する。
公式ウェブサイトhttp://www.adg‐theater.com/ |
音楽 坂本弘道 SAKAMOTO Hiromichi (cello, musicalsaw, electronics)
即興主体のセッション及びソロ、「パスカルズ」等のバンド活動、
遠藤ミチロウ、UA、川上未映子、荒井良二ら多種多彩なアーティストとの共演、音楽ドキュメンタリー映画「We Don't Care About
Music Anyway」出演(2011年日本公開)、 アニメーション映画「緑子/MIDORI-KO」音楽制作、コクーン歌舞伎「盟三五大切」、
テラヤマ見世物ミュージカル「地球☆空洞説」、「祈りと怪物」
(作·演出:ケラリーノ·サンドロヴィッチ)、少年王者舘ダンス
公演「ミナレット」など舞台の音楽監督、作曲、生演奏多数。
調布市せんがわ劇場「JAZZ ART せんがわ」プロデューサー、
2013年「坂本弘道 presents フェスティバル 蝶と骨と虹と@横浜中
華街」発案·主催。ヒバナレコード主宰。 |
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ナレーター アーサー·ビナード(Arthur Binard)
1967年、米国ミシガン州生まれ。ニューヨーク州のコルゲート大学で英米文学を学び、卒業と同時に来日、日本語での詩作を始める。詩集『釣り上げては』(思潮社)で中原中也賞、絵本『ここが家だ――ベン·シャーンの第五福竜丸』(集英社)で日本絵本賞を受賞。エッセイ集に『亜米利加ニモ負ケズ』(日本経済新聞出版社)、『日々の非常口』(新潮文庫)、絵本に『くうきのかお』(福音館書店)『ことばメガネ』(大月書店)、翻訳絵本に『ダンデライオン』『どんなきぶん?』(ともに福音館書店)、『カエルもヒキガエルもうたえる』(長崎出版)、『ホットケーキできあがり!』(偕成社)、詩集に『ゴミの日』(理論社)、翻訳詩集には『日本の名詩、英語でおどる』(みすず書房)など。文化放送「吉田照美 飛べ!サルバドール」と青森放送「土曜トモラジいいね」「サタデー横町」でパーソナリティーもつとめる。 |
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